新しい私、デビュー!したりしなかったり


街で洋服を着てる犬猫を見かけるたび苦々しく思い、ときには「ただの畜生になーに洋服着せちゃったりなんかしちゃってやがんだコノヤロウ」などと吐き捨てていた僕なのですけど、不思議なもので、ペットを飼い始めるとなんだかんだ洋服を着せたくなってしまった。今では気がついたら口半開きになりながら、通販サイトのフェレット用洋服コーナーばっかぼーっと眺めてる。別に買うわけじゃないのだけど、いい感じのやつを見つけるたびいちいち「これかわいい!」などと奥さんに報告しているわけです。ほんと、ひとって変われば変わるものよねえ…(遠い目)。
これに限らず、ペットを飼うことで僕は自分の中の新しい扉を次々と開けており、今まで知らなかった自分をその都度発見している。ときには別に開けんでもええ扉をバールのようなもので無理くりこじあけており、特にペット用洋服の扉なんかはいっそのことニューヨーカー並みの厳重さで鍵を二重三重にかけておけばよかったかもしれない。また、一方では自分の中ではめ殺しのままぜったい開かないようにしている扉があり、それが「赤ちゃん言葉」の扉だ。思うに今まで出逢った第三者って、フェレットワールドの店員さん始めみーんなフェレットに対して赤ちゃん言葉を使ってた。加えて、実は奥さんもときどきそれっぽくなる。それにひきかえ僕はそのへん頑ななので(なんせ扉をはめ殺しにしてるから)、イタチに対して赤ちゃん言葉なんかぜったいに使わない。いつでも命令調か、もしくはタメ口(イタチに対して「タメ」と言っている時点でなんかおかしいのだけど)。もうみんなしてよってたかって赤ちゃん言葉なのはうんざりだ。というわけで、今後僕は、あえてイタチ以外に対して赤ちゃん言葉を使うことにちまちたのでちゅ。なんせほら、僕って知るひとぞ知らないナチュラル・ボーン・アマノジャクでちゅから。