「身を美しくする」と書いて、それすなわち「けんちゃんラーメンしょうゆ味」と読む……わけねえだろバカ


↑のように、僕はイタチに対してかなり厳しく躾けている。咬んでくるのも、これが甘咬みなのか乳歯が抜ける=歯が痒いのかはびたいち見当つかないのだが、とにかく「人間咬んだらあかん!いじめかっこわるい!」という考えをその性根に刻み込むためにあえて厳しくしている。いくらきゅうきゅう啼こうが咬みついたらすぐさま首根っこひっつかまえて、「なにしとんじゃおら!」と関西弁丸出しで怒り鼻っ柱を指でぴんぴん弾く。「なんで咬むんじゃアホボケコラカス」とか平気で言う。なにしろ最初が肝心だしね。ところがそんな僕にくらべて奥さんはアマアマすぎるので困る。せっかく僕が「おっさん舐めたらエラい目あうで。おっさんときたらおまえの思う2.5倍のでっかいうんこするで。いろんな意味でごっつ怖いで」ということを教え込もうとしているのに、なにかとゆうと「まだ子供やから」や「まだ子供やから」、時には「まだ子供やから」と言い訳して甘やかすのである。エサにしても、僕はそろそろ固いエサにも馴れるべきと考えてなるたけ水分少な目にしているのに、奥さんは例によって「まだ子供やから」と言いながら水びたびたにしてしまう。見ると「火垂るの墓」の節子でさえ「けっ」と吐き捨てて後ろ足で砂をかけるほどのエサである。普通ならエサに少量の水分を加えてふやけた感じにするのだが、奥さんの作るエサときたら、水分が多すぎて、まるでお湯にエサが浮いているという具合である。これではただ単にコーンポタージュとちょっと多めのクルトンではないか。今後もこのようなエサが続くようなら、イタチだって僕に「イタチ、うんこびちびちやねん」と訴えかねない。まったく憂慮すべき状況である。僕もこの状況はさすがに見かねて奥さんには厳重に注意することにし、ついでに春のセンバツは出場自粛を要請しておいた。かように、イタチの躾同様、僕は奥さんに対しても高野連並みに裁定が厳しいのだ。